1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 21:47:01.57 ID:QXBquUCY0

グリシャ「ただいま、母さん」

カルラ「お帰りなさい、随分遅かったのね。‥‥あら?その子は‥‥」

ミカサ「‥‥」ギュ

エレン「おい、そろそろ袖離せよ」

グリシャ「‥‥エレン、ミカサとお風呂に入ってきなさい。服はお前のを貸してあげるんだぞ」

エレン「げぇ!?一緒にかよー!!」

グリシャ「エレン」

エレン「‥‥わ、わかったよ。ほら行くぞ、こっちだ」

ミカサ「‥‥ぅん」トテトテ





 
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 21:54:34.57 ID:QXBquUCY0

カルラ「そんな‥‥!そんなことが、なんて酷い‥‥!!」

グリシャ「エレンは叱らないでやってくれ、私がたっぷりと言っておいた。‥‥本当なら、褒めてやりたいがそうもいかない」

カルラ「‥‥無事に帰って来たんですもの、それで十分だわ。さぁ、ミカサの分の食事も作らなきゃ!」

グリシャ「ありがとう、カルラ。‥‥おっと、子供たちが出てきたようだ」




エレン「母さん、俺腹減ったー」ホカホカ

ミカサ「‥‥‥‥」ホカホカ

カルラ「‥‥エレン、ミカサ!ちょっとこっちいらっしゃい!」





3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 22:02:02.29 ID:QXBquUCY0

エレン「!! な、何だよ‥‥」ビクッ

ミカサ「‥‥」オドオド ギュウ

カルラ「‥‥おかえりなさい、二人とも」ムギュー

エレン「‥‥‥‥ただいま、母さん」

カルラ「ミカサ、あなたもよ。うちに来たからには、挨拶をしっかりしてもらいますからね」ナデナデ

ミカサ「‥‥た、だい、ま」ボソ

カルラ「‥‥さぁ、すぐにご飯にしますよ!父さんは食事が済んだら早くお風呂に入って下さいね!」

グリシャ「ああ、分かったよ‥‥いいかミカサ、一つだけ我が家のルールを教えておこう」

ミカサ「?」

グリシャ「母さんには逆らうな、だ」クス

ミカサ「‥‥わかった」コクン

エレン「腹減ったー!」





4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 22:07:48.71 ID:QXBquUCY0

ミカサ「おばさん、エレンがいない!」

カルラ「あらミカサ、おはようは?」

ミカサ「おはよう!エレンがいない!」

カルラ「はい、おはよう。エレンならさっき出掛けましたよ」

ミカサ「!! 置いてかれた‥‥!」ダッ

カルラ「あ、ミカサ!また迷子になるんじゃないよー!」

グリシャ「‥‥もうハンネスに迷惑はかけられないからな」

カルラ「ええ‥‥それにしても、なんでミカサはハンネスをあんなに怖がるのかしら」

グリシャ「彼だけじゃないんだろう、今のあの子には大人の男というだけで恐怖の対象たりえるのかもしれん」

カルラ「‥‥こればっかりは、ゆっくり癒してやるしか出来ないものね‥‥」





5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 22:13:53.00 ID:QXBquUCY0

エレン「おーい、アルミーン!」

アルミン「エレン!‥‥あれ、ミカサはいないの?」

エレン「ああ、置いてきた!ったく、毎日毎日ついてくるから秘密の話も出来やしねぇ」

アルミン「でも‥‥なんか可哀想だよ、仲間外れみたいでさ」

エレン「別に意地悪で言ってるんじゃねーよ!あの本は見つかったら憲兵団に捕まっちまう内容なんだぞ!」

アルミン「エ、エレン!声が大きいよ!!」アタフタ

エレン「わ、悪ぃ‥‥とにかく!今日はアイツ抜きだ。久々に続きを‥‥」

ミカサ「エレン!!」





9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 22:56:20.76 ID:QXBquUCY0

エレン「げ、ミカサ!?なんで‥‥」

アルミン「おはようミカ「エレン、なんで置いていくの?酷い」

エレン「‥‥ちっ。いいじゃん、たまにはさ」イライラ

ミカサ「嫌だ。置いてかないで、一緒に遊びたい」ギュウ

エレン「‥‥女は女と遊べよ!人形遊びとか、ままごととか!」イライラ

ミカサ「エレンと一緒に遊びたい‥‥」ジワ

エレン「すぐ泣くなようっとーしいな!」バッ





10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:02:21.21 ID:QXBquUCY0

アルミン「エ、エレン、そんな強く言わなくたって‥‥」ハラハラ

エレン「だってよアルミン!コイツさぁ‥‥」イライラ

ミカサ「‥‥ぅわあああああああん!!!」

アルミン「ミ、ミカサ!?」

エレン「‥‥もうこんな泣き虫ほっといて、行こうぜアルミン!」グイ

アルミン「さ、さすがに駄目だよエレン‥‥!」オロオロ

ハンネス「おーい、何騒いでんだガキ共」

アルミン「あ、ハンネスさん!」

ミカサ「!!」ビクゥッ

ハンネス「なんだ、エレンがミカサ泣かしたのか?」





11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:07:40.73 ID:QXBquUCY0

『オイ‥‥お前は大人しくしろよ?』


エレン「ちげーよ、勝手にコイツが泣いたんだよ!」

アルミン「いや、さっきのはエレンが悪いよ‥‥」

ハンネス「とりあえず、ミカサは俺がまたカルラんとこ連れてっといてやる。エレン、お前は頭冷やせ」ゴツン


『でないと、こうだ!』ガッ


エレン「ってぇ!何すんだよ!」

ミカサ「‥‥わぁあああああああああああ!!」ダッ





12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:12:20.47 ID:QXBquUCY0

アルミン「!?ミ、ミカサ!?」

ハンネス「うわ!!落ち着けミカサ!!くそっ、なんて力だ‥‥!」ググッ

ミカサ「エレンを、エレンをぶった!」ジタバタ

エレン「‥‥俺は何ともないから、いいから落ち着けよ!」

ミカサ「‥‥‥‥平気?ホントに?」

エレン「当たり前だろ。ハンネスさんに迷惑掛けんなよ、お前」

アルミン「エレン、だから言い過ぎだって‥‥」

ミカサ「‥‥分かった」グスグス

ハンネス「‥‥あー、じゃあ行くぞ、ミカサ。もうエレン殴ったりしねぇよ、悪かった」

ミカサ「‥‥」コクン





13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:18:50.53 ID:QXBquUCY0

エレン「あー、これでやっとあの本の話が出来るな!」

アルミン「エレン、さっきのはエレンが悪いよ」

エレン「な‥‥お、お前までミカサの肩持つのかよ!」

アルミン「だって、事故で両親が亡くなってるんでしょ?きっと不安なんだよ。優しくしてあげなくちゃ」

エレン「‥‥アイツ、泣き虫だからむかつくんだよ」

アルミン「エレンだって涙腺緩いじゃない」ハァ

エレン「そ!それは内緒だって言ったろ!!」

アルミン「それに、あの本は持ち出したのがおじいちゃんにバレて倉庫の奥深くだよ」

エレン「マジかよ‥‥あー、つまんねーの!」ケッ





14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:24:50.95 ID:QXBquUCY0

ハンネス「カルラー、届け物だぞー」

カルラ「あらハンネス!届け物って‥‥ミカサ!?」

ミカサ「おばさん‥‥!」ダキッ

ハンネス「外で泣いてたから連れてきた。じゃ、俺はこれで」

カルラ「そう‥‥悪かったねハンネス、迷惑かけて。ほら、ミカサもお礼言いなさい」

ミカサ「‥‥‥‥」ギュウ

カルラ「ミカサ!」

ハンネス「いいってカルラ、迷子のお届けも駐屯兵団の仕事だよ。んじゃあなミカサ、エレンと仲良くな」

カルラ「ハンネス‥‥」





15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:29:11.83 ID:QXBquUCY0

ミカサ「‥‥エレンが、私の事、泣き虫でうっとうしいって‥‥」

カルラ「またあの子は‥‥ごめんねミカサ、後で叱っといてやるからね」

ミカサ「‥‥だめ。叱ったら、また私、きらわれちゃう‥‥」フルフル

カルラ「‥‥はぁ。全く、こんな健気な女の子を、あの子ったら‥‥」

ミカサ「‥‥」シュン

カルラ「‥‥ミカサ、家の事はお母さんから教わってた?」

ミカサ「‥‥少しなら‥‥」

カルラ「じゃ、これからはお手伝いを頼もうか。女の子は家の事をいっぱい覚えないといけないからね」

ミカサ「‥‥お手伝い、上手に出来たらエレンが喜ぶ?」

カルラ「ああ、もちろん!エレンも私も父さんも大喜び。お願いできる?」

ミカサ「‥‥うん、やる。頑張る」

カルラ「うん、いい子だ。ミカサは良い子で助かるわ」ナデナデ

ミカサ「‥‥」モジモジ





16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:35:01.00 ID:QXBquUCY0

エレン「ただいまー!」

カルラ「おかえり、エレン。早く手を洗って座りなさい、ご飯出来てるから」

エレン「腹減ったー。母さん、たまには肉食いたい」

カルラ「贅沢言うんじゃないよこの子は、ったく」

ミカサ「‥‥エレン、はい」コトッ

エレン「最近お前母さんの手伝いばっかだな、‥‥んん?」モグモグ

カルラ「今日のスープはミカサが作ったのよ、美味しいでしょう!」

ミカサ「‥‥どう?」ソワソワ

エレン「ま、まぁまぁだな」モグモグ

カルラ「ミカサ、ほら見てごらん。エレンの耳が赤くなってるのは嘘の証拠だから、本当はすっごく美味しいんだよ」

ミカサ「本当?エレン」キラキラ

エレン「ちげーよ!!」ガツガツ





17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:40:24.94 ID:QXBquUCY0

カルラ「ん‥‥!はぁ、どうしましょう‥‥」

ミカサ「おばさん、おはよう‥‥どうしたの?」

カルラ「ああミカサ、おはよう。水道ポンプが凍っちゃったみたいでね‥‥」

ミカサ「動かないの?」

カルラ「そうなの。今日は父さん、早めに診療に出ちゃうのに‥‥困ったわ」

ミカサ「‥‥っ、ふ!」グイッ ザバー

カルラ「!? う、動いた‥‥!?」

ミカサ「これで大丈夫?」

カルラ「ええ‥‥ミカサ、ありがとう。お前は力持ちだね」ナデナデ





18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:46:14.95 ID:QXBquUCY0

グリシャ「‥‥ミカサ、腕を見せなさい」

ミカサ「? どうして?」

グリシャ「庇っているだろう、隠しても分かるぞ」グイ

ミカサ「っ!い、いた‥‥っ」ズキズキ

グリシャ(‥‥!これは‥‥筋肉が傷ついているな‥‥)

ミカサ「先生、痛い‥‥」グス

グリシャ「当たり前だ!一体何をしたんだ、全く‥‥」

カルラ「‥‥そういえば、さっき‥‥」





19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:51:04.74 ID:QXBquUCY0

グリシャ「なるほど‥‥ミカサ、あまり無理に力を出してはいけないぞ」

ミカサ「‥‥でも、役に立てるのに‥‥」シュン

グリシャ「君はまだ幼く未発達なんだ、人間が出せる限界を出すには体が追い付いていない。まずはしっかり鍛えるところからだ」ナデナデ

ミカサ「‥‥はい」

グリシャ「それも、まずはこの腕を治してからだ。私がいいというまで使わないように、いいね?」

ミカサ「‥‥分かりました」





20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/01(土) 23:56:48.25 ID:QXBquUCY0

エレン「ふぁー、おはよう‥‥あれ、父さんは?」

カルラ「おはようエレン、父さんならもう出かけましたよ」

エレン「ちぇっ、今日はアルミンがいないから連れてってもらおうと思ったのに‥‥」

カルラ「あら、じゃあ今日は暇なのね?」

エレン「げ‥‥」

カルラ「ミカサが腕を怪我しちゃったの。だから、薪拾いを一緒にお願いね」

エレン「‥‥分かったよ、ったく」

ミカサ「エレン!エレンと一緒で、嬉しい!」ギュウ

エレン「袖掴むなよ!」

カルラ「エレン、ちゃんとミカサの面倒見てあげるのよ!」

エレン「‥‥分かった」





21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:01:26.24 ID:QXBquUCY0

エレン「そこ、足元気を付けろよ」

ミカサ「‥‥エレン、今日は優しい」ホクホク

エレン「別に。母さんに頼まれただけだし」

ミカサ「最近、アルミンばっかりで寂しかった。‥‥私も一緒に遊びたい」

エレン「お、男の遊び場には女は立ち入り禁止なんだよ!」

ミカサ「‥‥前は、一緒に遊んでくれた。ちょっと前に、エレンとアルミン、こそこそし始めて‥‥私には、内緒で遊んでて‥‥」グス

エレン「また泣いた!だからお前嫌なんだよ、ったく!」イライラ

ミカサ「‥‥エレン、優しくない‥‥」グスグス

エレン「‥‥」イライライライラ

アルミン「エレーン!ミカサー!」





22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:06:34.24 ID:QXBquUCY0

エレン「!! アルミン!どうしたんだよ、今日は遊べないんじゃなかったのか?」

アルミン「家の用事が終わったから遊びに行ったら、おばさんがここだって教えてくれたんだ」

エレン「んじゃ、急いで集めるから待っててくれよ!ほらミカサ、泣いてないでさっさとしろよ」

アルミン「ミカサ、僕が手伝うよ。腕の怪我だいじょ「いらない!一人でできる!」パシッ

アルミン「わ、うわっ、っとと‥‥ハハ、ミカサ本当に力持ちなんだね‥‥」ジンジン

エレン「! ミカサ、てめぇ‥‥!!」グイッ

ミカサ「‥‥っ」ジワ





23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:13:55.13 ID:QXBquUCY0

アルミン「エ、エレン!僕なら平気だよ、止めてよ!」アタフタ

エレン「何なんだよお前!泣き虫で、その上アルミンを‥‥俺の親友をいじめる気か!?」

ミカサ「‥‥っアルミンは、嫌い!エレンを取っちゃう!!」

エレン「はぁ!?俺はお前のもんじゃねーよ!お前関係ないじゃん!」

ミカサ「私はエレンの家族だもん!もう、私にはエレンと、おじさんとおばさんしかいないのに‥‥っ」

アルミン「‥‥ミカサ‥‥」

エレン「うるせぇ泣き虫!お前なんて家族じゃ「エレンストップ!落ち着いて、ミカサを離すんだ!」グイッ





24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:21:51.28 ID:QXBquUCY0

ミカサ「‥‥‥‥エレン、今‥‥」

エレン「‥‥止めんなよアルミン。コイツ、お前を殴ったんだぞ!女じゃなきゃ倍返しだ」

アルミン「こんなの大したことないよ!いつものいじめっ子に比べたら、全然平気」

エレン「でもさぁ!‥‥おいミカサ、なんとか言えよ!」

アルミン「‥‥あれ?ミカサ!?」キョロキョロ

エレン「アイツ、薪拾いサボりやがったな!」

アルミン「いいよ、僕がミカサの分も拾うよ。‥‥拾いながら、ちょっと話したいこともあるし」





25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:26:01.39 ID:QXBquUCY0

アルミン「‥‥ねぇエレン、僕さ‥‥実は、さっきまでおばさんにミカサの事聞いてたんだ。嫌われてるのは薄々分かってたし」

エレン「アイツ、そんなに態度に出してたのか!?もしかして、今までもいじめられたり‥‥」

アルミン「エレンは空気読めないから気付かないだけだよ。‥‥多分、僕たちが外の世界の本を読み始めてちょっとしてからかな?

エレン「はぁ?空気なんて文字書いてないだろ?」

アルミン「そ、そこはもう置いといて‥‥ハハハ。とにかく、僕たちは二人の秘密にしちゃったから、それでミカサを一人弾いちゃったんだよ」

エレン「‥‥前に言ったろ、見つかったら、憲兵団に捕まるかもしれないんだ」

アルミン「‥‥一応、本気で心配してたんだ?」クス

エレン「アイツの事、父さんにも母さんにも「守れ」って言われたし。でも、あんな泣き虫だなんて思わなかった」イライラ

アルミン「あのさ‥‥聞いたよ、事故じゃなかったんでしょ?」





26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:31:12.69 ID:QXBquUCY0

カルラ『‥‥そうだったの。仲間外れは良くないね、アルミン?』

アルミン『う、うん‥‥ごめんなさい』

カルラ『‥‥アルミン、あなたはとても頭のいい子だと思うから、本当の事を話すよ。内緒の話だ、誰にも言わないって約束できる?』

アルミン『出来る!絶対言わないよ』

カルラ『そう、良い子だね。‥‥ミカサのご両親はね、事故で亡くなったんじゃないの。‥‥人攫いの強盗に、あの子の目の前で殺されたの‥‥』

アルミン『‥‥!!』

カルラ『その時に、エレンが‥‥偶然すぐに人攫いの隠れ家を見つけて、すぐに憲兵団に引き渡して助けることが出来たの。

両親をとても酷い方法で亡くしてしまったあの子には、今は何よりも人の温かさが大切なお薬なんだよ。

あなたたちくらいになると、女の子と一緒に遊ぶのは恥ずかしいのかもしれないけれど‥‥出来れば、一緒に遊んであげてね』

アルミン『‥‥分かった、ありがとうおばさん!』





28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:41:11.23 ID:QXBquUCY0

アルミン「本の秘密は話してないよ、ちゃんと秘密にしてる。‥‥でも、エレンが優しくしてないのはバラしちゃったから、それはごめん。

だからさ、ミカサも仲間に入れてあげようよ。もしも憲兵団にバレたら、僕たちでミカサを守って‥‥」

エレン「アルミン、違う。その話、母さん嘘ついてるんだ」

アルミン「‥‥え?そ、そんな‥‥」

エレン「‥‥あの人攫い共は‥‥俺が殺した。一人はミカサがやった」

アルミン「‥‥!?」

エレン「憲兵団は間に合わなかった。‥‥アイツ、一人で、縛られてて‥‥早く、助けてあげたかった。だから、アイツらは俺が駆除してやったんだ」ギリ





29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:50:29.57 ID:QXBquUCY0

アルミン「ああ、君は‥‥はぁ。うん、エレンらしいね」

エレン「‥‥お前、驚かないのか?」

アルミン「驚いてる、すっごく!‥‥でも、エレンはいつも僕を助けてくれるから。きっと、ミカサにとってもエレンはヒーローだったんだね‥‥そりゃ嫌われちゃうよなぁ」

エレン「何だよそれ‥‥」

アルミン「でも‥‥あの、気の弱いミカサが、一人を‥‥その、やっつけたの?」

エレン「‥‥アイツは、生きたいから戦った。戦って勝って、今生きてる。‥‥本当は強い奴なのに、すぐ泣くのがむかつくんだ」

アルミン「‥‥ミカサはさ、女の子なんだよ?それも、とても辛い事があったばかりの女の子なんだ。っていうか、君を基準に考えたら世の中みんな弱虫だよ。僕なんかどうなるの?」





30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 00:56:53.86 ID:QXBquUCY0

エレン「でも、アルミンは殴られても泣かないだろ」

アルミン「それは、‥‥やっぱり僕だって男だし。簡単に泣きたくないって意地くらいあるよ!」

エレン「‥‥そっか‥‥アイツ、女なんだっけ。女って、弱いんだっけ‥‥」

アルミン「自分で散々女、女言ってたくせに、決定的な自覚に欠けてたんだね」ハァ

アルミン(身近な女性がキリッとしたカルラおばさんだったから、女性は強いって思っちゃうのも分からないでもないけど‥‥)

エレン「難しい言葉で馬鹿にするなよ!‥‥ああ、俺が悪かったよ!アイツも仲間に入れてやる!」

アルミン「うん!じゃ、結構拾ったし、ミカサを探しに行こうか?」

エレン「家に帰ってるだろ?‥‥ほら、行くぞ!」





31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:02:33.30 ID:QXBquUCY0

ミカサ「‥‥‥‥」フラフラ

エレン『うるせぇ泣き虫!お前なんて家族じゃ‥‥』

ミカサ(‥‥私は、エレンの家族じゃなかったの‥‥?)グス

エレン『泣き虫!』

ミカサ「‥‥っ」ゴシゴシ



悪ガキ1「あ!アイツ、エレンのトコに来た女だ!」

悪ガキ2「ミ‥‥ミサカ?だっけ?」

悪ガキ3「‥‥この前エレンに殴られた仕返しだ。今日はアルミンも見付かんねぇし、やっちまおーぜ!」





32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:06:32.06 ID:QXBquUCY0

ミカサ(これから、どうしよう‥‥もうあの家には帰れない‥‥)

悪ガキ1「おいミサカ!」

ミカサ「‥‥はぁ」トボトボ

悪ガキ2「シカトしてんじゃねーよ!」グイッ

ミカサ「‥‥っ、な、何‥‥」ドサッ

悪ガキ3「お前、エレンの家に来た奴だろ!俺たちエレンにたくさん殴られたんだ、家族なら責任とって殴られろ!」

ミカサ「!!」


エレン『うるせぇ泣き虫!お前なんて家族じゃ‥‥』





34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:11:30.93 ID:QXBquUCY0

ミカサ「‥‥‥‥わた、わたしは‥‥エレンとは、‥‥家族じゃ‥‥」ジワ

悪ガキ1「うわ、コイツ泣いてるぜー!」ゲラゲラ

悪ガキ2「きーったねー!」ゲラゲラ

ミカサ「な、泣いてなんか、ない!」ゴシゴシ

悪ガキ3「やーいやーい、泣き虫ミサカー!えんがちょー!」

ミカサ「‥‥‥‥!!」


エレン『泣き虫!』


悪ガキズ「」ゲラゲラゲラゲラ

ミカサ「っ、ぅ、ぅう…っ」ジワ





エレン「ミカサ、泣くな!」ダッ





35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:17:44.70 ID:QXBquUCY0

ミカサ「!? エレン‥‥!?」ゴシゴシ

アルミン「ミカサ、大丈夫!?」

ミカサ「‥‥!ア、アルミン‥‥」

悪ガキ1「げ、エレンだ!!」

悪ガキ2「‥‥丁度いい」グイッ

ミカサ「っ、い、いた‥‥っ」

悪ガキ3「人質だ!この女を殴られたくなかったら、殴らせろ!」ニヤニヤ

悪ガキ1「ついでにアルミンも殴らせろ!」ニヤニヤ

アルミン「!!卑怯だぞ、怪我してる女の子を人質だなんて!最低だ!」

悪ガキ2「‥‥おい、まずはお前からだアルミン!ボコボコにしてやる!」





36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:23:17.59 ID:QXBquUCY0

エレン「ミカサ、お前は強いだろ!戦え、そんな奴らぶっ飛ばしちまえよ!」

ミカサ「‥‥‥‥わ、私‥‥」ジワ

悪ガキ3「何言ってんだよお前、馬鹿じゃねーの!」バキッ

エレン「ぐ‥‥っ!」ドサッ

ミカサ「!!エ、エレン!」

悪ガキ1「お前もだ!」ゲシッ

アルミン「ぐぅっ、‥‥ぼ、僕を殴りたいなら好きにしたらいい!でも、ミカサは関係ないだろ、離してあげてよ!」

ミカサ「‥‥アルミン‥‥」

悪ガキ2「いいぞいいぞ、殴れー!蹴れー!」ニヤニヤ

ミカサ(私‥‥私は‥‥)





37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:30:32.08 ID:QXBquUCY0

悪ガキ1「無抵抗なエレン殴るの、楽しいな!」ニヤニヤ バキッドカッ

悪ガキ3「アルミン、お得意の口先攻撃してみろよ!」ニタニタ ゲシッガスッ

悪ガキ2「‥‥お前らずるい!俺もやる!」ポイッ タタタ

ミカサ「‥‥っ」ドサッ

ミカサ(‥‥私‥‥わたし‥‥)


エレン「‥‥戦え!!」


ミカサ「‥‥!!」

エレン「戦うんだよ、あの日みたいに!お前は、強いだろ!」

悪ガキ2「うるせぇ黙れ!顔面キーック!」ゲシッ

ミカサ「‥‥あの、日‥‥」





38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:36:38.20 ID:QXBquUCY0

ミカサ(全部失った、あの日。

新しく命を手に入れた、あの日。

‥‥新しい家族を手に入れた‥‥違ったけれど、迎えてもらって、温かい場所を手に入れた、日)


エレン『戦わなければ、勝てない‥‥!』


ミカサ(‥‥とても大切なことを、教えてもらった日)




悪ガキ1「今まで散々やられたんだ、一気に仕返しだ!!」ゲシゲシ

悪ガキ2「こいつ鼻血出てるぜ!顔ちょー笑える!」ドカドカ

悪ガキ3「ホラホラ、泣いて謝れば止めてやるぞ!」バキバキ





39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:40:05.12 ID:QXBquUCY0

エレン「‥‥っ俺は、泣き虫が、嫌いだ‥‥っ、イデ!!」ガチッ

ミカサ「‥‥うん。ごめんなさい、エレン」グイッ

悪ガキ2「っと、何だよ、お前も殴られたげふぉあっ!」ドサッ

ミカサ「私は、もう泣かない。‥‥戦う」



アルミン(僕は、エレンから聞いた話の真実を目の当たりにした。ミカサは本当に強かったんだ。

腕の一振りで大柄ないじめっ子が宙を飛んだ。足を踏み込んだ土の地面が抉れた。顔面に叩き込んだ拳が奥歯を散らした。

怪我をして腕を吊っている筈の彼女自身はただの一度も反撃を受けることなく、三人がかりで殴られていた僕らの数倍の被害をいじめっ子達に与えていた。

泣きながら逃げ帰る背中に向かって飛び蹴りの追い打ちを決めた姿は、いっそ美しくすらあったんだ)





40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:49:35.03 ID:QXBquUCY0

ミカサ「エレン、大丈夫?」

エレン「‥‥お前、やっぱり強いじゃん。泣き虫のくせに」

ミカサ「‥‥もう、泣かない」ゴシゴシ

アルミン「ミカサ、ありがとう‥‥僕のためじゃないだろうけど」

ミカサ「‥‥アルミン、嫌いなんて言ってごめんなさい」

アルミン「!!ミ、ミカサ‥‥!僕もごめんね、いつもエレン取っちゃってて。もうそんなことしないって、エレンと決めたからさ!」

エレン「‥‥俺も、‥‥仲間外れにして、悪かった」

ミカサ「‥‥!!」パァアアア

アルミン「今ならうちの家族、みんな出掛けてるからさ。怪我の手当てもあるし、うちにおいでよ!」





42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:54:27.69 ID:QXBquUCY0

ミカサ「すごい‥‥外の世界は、いろんなものがある」ワクワク

エレン「だろ!?すげぇよな!」ワクワク

アルミン「僕は特にこの海!見てみたいなぁ‥‥」ワクワク

エレン「‥‥わ、もう外暗くなり始めてる!ミカサ、帰るぞ」

ミカサ「‥‥で、でも、私‥‥帰れない」

エレン「はぁ?なんでだよ」

ミカサ「‥‥家族じゃ、ないって‥‥」ジワ ゴシゴシ

エレン「あっ!あ、あれは‥‥だな‥‥」

アルミン「‥‥ミカサ、エレンのアレは家族にしか言わないヤツなんだよ?」

ミカサ「‥‥?」





43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 01:59:23.30 ID:QXBquUCY0

エレン「言うなよアルミン!」

アルミン「いいじゃない別に。昔っからさ、おじさんおばさんとケンカすると「お前なんか父さんじゃない!母さんじゃない!」ってさ。その度に更に怒られて、罰としてお尻を‥‥」

エレン「アルミン、この!」グイグイ

アルミン「ずっと一緒で、絶対嫌われないって分かってて甘えてるんだっておじさんが‥‥」

エレン「言うなー!!」グイグイ

ミカサ「‥‥家族にしか、言わない‥‥」

エレン「ほら、帰るぞ!!」

ミカサ「‥‥うん!」ギュ

エレン「袖掴むなよ!」

アルミン(振りほどかないくせに‥‥)クス

エレン「何笑ってんだよアルミン」ジロ

アルミン「何でもないよ。あ、ミカサ、背負子僕が持つよ。送ってく。

あとねミカサ、さっき家に帰った時にミカサがまだ帰ってないって知った時のエレン、凄い顔して薪放り投げて飛び出してって‥‥」

エレン「アルミン!!もう止めろよ!!」

ミカサ「‥‥」ホクホク





44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:04:14.12 ID:QXBquUCY0

ミカサ「‥‥あれ、何?」

アルミン「ああ、あれは結婚式だよ。普通の人は結婚する時は書類出すだけなんだけど、ウォール教の信者は教会でああやって壁にずっと家族として添い遂げますって誓いを立てるんだって」

エレン「壁に?つくづく変な宗教だな、アレ」

ミカサ「‥‥女の人、きれい」

アルミン「ウェディングドレスって言うんだ。ほら、最後にはああやって花束を投げて‥‥あっ!こっちに来る!」

ミカサ「!?」キャッチ

エレン「? 何だ?早く返して来いよ」

アルミン「違うよ、貰っていいんだよ。ほら、花嫁さんが手振ってるよ」

花嫁「」ヒラヒラ

ミカサ「‥‥」ペコリ

花嫁「」ニコッ

アルミン「良かったね、ミカサ!」





45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:09:56.90 ID:QXBquUCY0

カルラ「エレン、ミカサ、おかえりなさい。あらアルミンも!いらっしゃい。‥‥またケンカしたの?」ハァ

エレン「ただいま、向こうが先に手出したから反撃しただけだ!」

ミカサ「‥‥ただいま」

アルミン「あ、僕は送ってきただけで‥‥これ、薪です」

カルラ「ほどほどにしてよ、全く。‥‥ふふ、実はねアルミン。あなたが出て行った後にお母さんがあなたを迎えに探してきたの。また忙しくなってしまって、泊り掛けになるから連れて行くってね。

でも時間もないようだったし、それなら今夜はウチで預かるって言ってあるのよ」

エレン「じゃあアルミン、泊まってくのか!?やった!!」

アルミン「え!?す、すみませんおばさん、お世話になります」ペコリ

カルラ「アルミンならいつでもウチは大歓迎よ。‥‥あらミカサ、それどうしたの?」





46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:16:13.90 ID:QXBquUCY0

ミカサ「結婚式してて、こっちに飛んできた。貰っていいんだって」

カルラ「あら、じゃあミカサは次のお嫁さんね!」

ミカサ「?」

カルラ「聞いたことがあるのよ。その花束を手に入れたら、次は自分が結婚できるんだってね」

ミカサ「結婚‥‥家族になるの?」

カルラ「ええ、そうよ。‥‥ミカサはエレンとアルミン、どっちと結婚したい?」コソッ

ミカサ「エレン!」

エレン「なんだよミカサ、呼んだか?」

アルミン(聞こえてたよ‥‥分かってたし好きなわけじゃないけど、即答されると‥‥)ショボン





47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:21:48.85 ID:QXBquUCY0

グリシャ「ただいま」

ミカサ「おかえりなさい!」

カルラ「おかえりなさいあなた、お風呂は今エレンとアルミンが入ってるから、ご飯を先に」

グリシャ「ああ、頼むよ。‥‥おや、ミカサ。花束なんて持ってどうしたんだ?」

ミカサ「結婚式で貰った、次は私が結婚する!」

カルラ「ふふ、エレンと結婚してくれるんですって。こんな可愛いお嫁さんなんて嬉しいわ」ナデナデ

グリシャ「そうか、それは良かった。ミカサ、エレンをよろしく頼むぞ」ナデナデ

ミカサ「はい、先生!」





48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:26:21.29 ID:QXBquUCY0

アルミン「さすがに三人で同じベッドはキツいね‥‥」

エレン「おいミカサ、そっちもうちょっと詰めるぞ」

ミカサ「‥‥エレン、私エレンと結婚したい」

エレン「え?うーん‥‥別にいいぞ」

アルミン「え!?」

エレン「仲間外れの詫びだ。それにもともと家族なんだし、結婚したって変わんないだろ」

ミカサ「うん!ありがとう、エレン!」

アルミン(ふ、二人とも、いまいち理解してない‥‥!)





49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:30:35.76 ID:QXBquUCY0

ミカサ「じゃあアルミン、結婚式やるから手伝って」モゾモゾ

アルミン「‥‥あ、シーツにくるまって毛布頭にのせたら、ちょっと花嫁さんに似てるね」

エレン「そうか?結構違うぞ」

ミカサ「これでいいの。アルミン、どうするの?」

アルミン「えっと‥‥確か、司祭が‥‥」

エレン「結構めんどくさそうだな‥‥」

アルミン「コホン。ええー、あなた方は病める時も健やかなる時も、共にお互いを支えあい、生涯添い遂げることを誓いますか?」

エレン「‥‥?」キョトン

ミカサ「誓うって、壁に?」





51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:37:29.10 ID:QXBquUCY0

アルミン「‥‥ええー、病気の時も元気な時も、ずっと一緒にいると‥‥じゃあ、おじさんとおばさんに誓いますか?」

エレン「アルミン今ちょっと俺のこと馬鹿にしたろ」

アルミン「僕は今アルミンじゃありません。司祭です」

ミカサ「誓います」

アルミン「ほら、エレンも」

エレン「‥‥誓います」

アルミン「では、誓いのキスを‥‥子供だから、ほっぺたにして下さい」

ミカサ「!?」

エレン「分かった」チュ

ミカサ「!!???」

アルミン「‥‥あ、ミカサのお母さんって民族の出身なんだっけ‥‥挨拶の文化が違うのかな」

ミカサ「‥‥っ」カァア





52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:43:57.80 ID:QXBquUCY0

アルミン「では、ここに誓いが立てられました。絶対破っちゃだめです、おじさんとおばさんを裏切ることになります」

エレン「はーい、分かりました。‥‥ふぁあ、これで終わりか?」

ミカサ「‥‥花束、投げないと駄目?」

アルミン「式はこれで終わりで、花束は投げたり投げなかったりらしいからいいんじゃないかな?」

ミカサ「‥‥良かった」ホッ

エレン「よし、じゃあ寝るぞ。アルミン、ランプ消してくれ」

アルミン「分かった。おやすみ、二人とも」フッ

エレン「おやすみー」

ミカサ「おやすみ。‥‥アルミン、今までごめんなさい。ありがとう」コソッ

アルミン「‥‥うん、これからは仲良くしようね。おやすみ」





53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:51:20.64 ID:QXBquUCY0

カルラ「エレン、ミカサ、薪拾いに行ってきてちょうだい」

ミカサ「はい、おばさん」

エレン「ええー!この間行ったばっかりじゃん!」

カルラ「文句言わないの、ミカサの旦那さんなら頑張りなさい!」

エレン「だから!一年近く昔の話引っ張るのやめろよ!」

カルラ「あら、嫌ならしっかり男らしく家のお手伝いもこなしてちょうだい」

ミカサ「エレン、行くよ」グイ

エレン「ぐっ、引っ張るなよ!」ジタバタ

カルラ「いってらっしゃい、気を付けてね」





54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 02:56:28.72 ID:QXBquUCY0

グリシャ「‥‥微笑ましいな」

カルラ「ええ、本当に。‥‥ミカサがいきなり、結婚した、誓いを私たちに立てたって言い出した時はびっくりしたわ」

グリシャ「アルミンは本当に物をよく知っている子だからな。影響されて、エレンにももう少し賢くなってほしいものだが‥‥」

カルラ「あなたの子ですもの、きっと大きくなれば立派になるわ。‥‥既にミカサのお尻に敷かれちゃってる気はするけど」

グリシャ「そこは母さんにそっくりだな」

カルラ「‥‥あなた?」ニコッ

グリシャ「っんん。‥‥ミカサも、もうすっかり傷は癒えたろう。‥‥孫を見るのが楽しみだな」

カルラ「気が早すぎるわよあなた」





55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 03:00:42.67 ID:QXBquUCY0

エレン「ふぁあ‥‥」

ミカサ「‥‥エレン?眠いの?」

エレン「ん?ああ、ちょっとだけな」

ミカサ「なら、寝てるといい。残りは私が集めておくから」

エレン「ん、あー‥‥母さんには内緒だぞ?」

ミカサ「分かってる。後で起こしに来る」タタタ

エレン「ああ、頼んだ。‥‥この木陰でいいか」ゴロン

エレン(‥‥‥‥場所変わったら、変な夢見ねぇといいんだけど‥‥)



おわり?





56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 03:05:21.94 ID:QXBquUCY0

ハッピーエンド希望されたから今回はほのぼのメイン+子供の微笑ましい初恋っぽくしたかった
書きたかったのはアルミンが神父の結婚式ごっこ、心に傷を負ったミカサはすんなり家に馴染めたろうか?とかいきなり自分のテリトリーに初対面の女の子を迎えてエレンの心境は?と妄想してたからそれも
エレンがクズと書かれたけど、実際に9歳男子なら悪気無く女子とは離れたがるしベタベタされたら嫌がったりするもんじゃないかなーとか、妄想だけど
熱血正義感っていうより、どこか自己中心的で善悪については独善的な雰囲気を持っててそれが空回りするキャラっぽいと個人的に思ってる
最後は一巻冒頭に繋がるイメージ




おまけ




悪ガキ1「エレンの金魚の糞ーwwwwww」ゲシッゲシッ

悪ガキ2「うんこうんこwwwwwwくっせーwwwwwwww」ゲシゲシ

悪ガキ3「うわwwwwwwうんこふんじゃった最悪wwwwwwwwww」ゲシゲシゲシゲシ

ミカサ「うぅ‥‥やめて‥‥」シクシク

エレン「お前らふざけんな!!」ガッシ!ボカッ!

悪ガキ1「ぐああああ!!」

悪ガキ2「くそっ、アルミンなら勝てる!!」ファッ

アルミン「」スッ

悪ガキ3「!? 避けた!?」

アルミン「アルミンパンチ!」ゴッ

悪ガキ2「ぐふっ!」チーン

エレン「すげぇやアルミン!でっかい石で殴るなんて頭いいな!」

アルミン「僕は非力だからね、攻撃翌力の底上げをしないと」ゴッゴッ

悪ガキ3「あばばばばばばばばばば」ジョワー




みたいな展開入れようと思ったけど、アルミンは子供時代暴力振るわない主義だった気がしたからやめてアルペディアにしちゃったごめんねアルミン





58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 04:28:41.67 ID:eM2STjRHo

おつー





59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 04:53:43.00 ID:4dFIiGMDO

なんやこれ
何気なく読んでみたら一気に読まされたわ(震え声)

エレンは熱血正義感よりは自己中心的で独善的っていうのは確かにと思った

面白かった
次回作も期待してる





64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 13:22:39.41 ID:md3+z+S/0

確かにこの年齢の男の子って、女子を目の敵にしてたな
とにかく弱虫なミカサと、ツンツンしててもお母さん大好きなエレンが可愛かった

次回作楽しみにしてます





66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/03(月) 01:40:32.60 ID:OYCwJPxzP

みんな可愛くてすごく良かった

>>64
性差を意識し始めて、やたら女の子にイジワルしちゃう年代でもあるね





60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 07:23:44.95 ID:bm+bub4/0

これは神作。傑作SSだった。特にエレンがミカサを救うシーンが良い。幼い頃のエレンを思い出して悶絶した。





62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/06/02(日) 08:59:23.80 ID:Wg1CLL+jo

>>60
アッカーマン訓練兵!!!

思い出に浸るのはほどほどにな・・・