1:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:26:10 ID:pNYH9VOY

男「……」

うんこ「信じていただけますか?」

男「…なにこれ」

うんこ「無理はありません。いきなり神の威光に当てられたとあっては、人間誰しも恐縮してしまうものです」

男「そういうのじゃない」

うんこ「もう一度言います」

うんこ「私だ」

男「お前だったのか」

男「古いよ」

うんこ「すいません」




2:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:27:14 ID:pNYH9VOY

うんこ「実はアナタの前に、三人ほど声をかけたのです」

男「ほう」

うんこ「一人は無視を決め込み、一人は頭を抱え歩き去り、一人はスゲーうんこが喋った友達呼んでこよーッてなりました」

男「最後の小学生じゃん」

うんこ「寂しかったのです」

男「見境ねーな」

うんこ「すいません」





3:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:30:33 ID:pNYH9VOY

うんこ「まだ信じて貰えませんか?」

男「自分が超能力者だと相手に伝えるもっとも有効的な手段は、未来予知らしい」

うんこ「ほうほう」

男「なんか予知してみろよ」

うんこ「アナタは今から1日以内に、ごはんを食べるでしょう」

男「とんちじゃなくて」

うんこ「今から百億年後の7月に、地球は滅ぶでしょう」

男「予言でもなくて」





4:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:31:03 ID:pNYH9VOY

うんこ「私は神ですが、そういうのじゃないのです」

男「じゃあどういうのなの?」

うんこ「…言葉で説明するのは難しいですね」

男「言葉で説明するのを放棄したら、お前はただのうんこだぞ」

うんこ「これは手厳しい。まさに神をも恐れぬ発言」

うんこ「いや…紙をも恐れぬ発言…うんこだけに…フフ」

男「」すたすた

うんこ「違うんです!待ってください!」





5:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:31:43 ID:pNYH9VOY

うんこ「良かった戻って来てくれて…まだやり直せますよね、私たち?」

男「別れる寸前の彼女みたいなこと言うな」

うんこ「…フフ、そろそろ信じましたか?私が神だと」

男「今までで何一つプラス要素がないんだよ」

うんこ「難しいですね…では、逆に聞きますが」

うんこ「男さんは、自分が人間だと証明ですますか?」

男「そういうごまかし方をするあたり、大した神じゃないんだろうな」

うんこ「手厳しい」





6:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:32:27 ID:pNYH9VOY

男「いいよもう。神だとしよう。ゴッドうんこだとしよう」

うんこ「認めてくれるのですか!?私がゴッドうんこだと!」

男「何でうんこなんかに憑依してんだよ」

うんこ「それは…話せば長くなるのですが。男さんはイタコをご存知ですか?」

男「自分に霊とか憑依させる人たちだろ」

うんこ「そうです。これはそのイタコのうんこなのです」

男「イタコに謝れ」

うんこ「しかも女子高生イタコです」

男「全然すげーってなんない」

うんこ「フフ、今ちょっと興奮しましたね?この変態!」

男「そこら辺にしとけ」

うんこ「すいません」





7:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:35:05 ID:pNYH9VOY

うんこ「人を探しているのです」

男「何だよいきなり」

うんこ「呼ばれたのです。助けて欲しい、と」

男「誰に」

うんこ「分かりませんが…女の子の声だったと思います」

男「情報が雑過ぎる」

うんこ「あの声はきっと美少女です。黒髪ポニテのニーソが似合う純粋無垢なJSです」

男「情報からの妄想が過ぎる」

うんこ「男さん!探してくれませんか…!?私を呼んだ子を!私とともに!」

男「いやだ」

うんこ「何でですか!?せっかくちゃんと話したのに!この薄情者!」

男「うんこ持って歩きたくない」

うんこ「確かに!」





8:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 19:36:07 ID:pNYH9VOY

うんこ「ビニール袋に入れて歩けば、愛犬の粗相を処理した、むしろマナーの良い人と思われるのでは?」

男「犬いないじゃん」

うんこ「エアードッグですよ」

男「エアードッグでリアルうんこはちょっと…」

うんこ「じゃあ、一度私がうんこだということを忘れてみましょう」

男「うん」

うんこ「目をつむって、女子高生を思い描いてください」

男「…ダメだ、どうしても顔がうんこになる!」

うんこ「そこをもうひと踏ん張り!」

男「体もうんこになった!」

うんこ「ダメだこの方法は!」





10:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 21:02:05 ID:pNYH9VOY

「うわぁ!やべー!うんこがしゃべってる!」

男「ん?」

うんこ「キミは…」

「な?な?だから言ったじゃん!だから命かけるっておれ言ったじゃん!」

「だってうんこじゃん!うんこじゃん!」

「ちんこ!」

「ちん…あはははは!ちんこって!」

「ちんこちんこ!」

「ぷーっ、あはははははっ!ちんこ!」

「ちんこちんこ!」

「あはははは!ちんこ!」

「ちんこ!あはははは!」

うんこ「…男さん、助けて!」

男「これは…凄いな…」





11:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:19:06 ID:pNYH9VOY

うんこ「男さん…っ!」

男「無理だ。これは嵐のようなものだ。彼らの興味がなくなるのを待つしかない」

「ちんこちんこ!」

「ちんこ…うんこ!」

「うんこちんこ!」

「うんこちんこ!」

男「駄目だ!最強の二つが合体してしまった!」

うんこ「そんな!」

「うんこちん…うん?」

少女「!」びくっ





12:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:19:36 ID:pNYH9VOY

「あっ!少女だ!」

「少女だ!やべー少女菌がうつる!」

少女「え…」

「近付いて来た!やべー逃げろー!」だっ

「あはははは!」だっ

少女「そんな…うっ…ううう……」





13:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:20:10 ID:pNYH9VOY

男「…この子だな」

うんこ「そうですね」

少女「ぐすっ…ぐすっ…」

男「やぁ」

うんこ「こんにちは」

少女「ひっ…な、なにかようですか…?」

男「キミを待っていたんだ。話を聞いてくれ」

少女「え…?」

うんこ「少女さん、驚かずに聞いてください」





14:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:21:22 ID:pNYH9VOY

うんこ「私は…アナタに呼ばれて来ました」

うんこ「すぐには信じられないかもしれません…ですが」

うんこ「こんな姿ですが、神です」

うんこ「アナタを助けに来ました」

うんこ「さあ…願いを言ってください」

少女「おかーさーん!!」だっ

うんこ「あれぇっ!?」

男「まぁ確かにそうなるわ」





15:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:22:00 ID:pNYH9VOY

男「ダッシュで追いかけて捕まえて来た」

少女「んー!?んー!?」

男「舌を噛まれたら困るので猿ぐつわをかましている」

うんこ「ありがとうございます」

男「気にするな」

少女「んー!んー!」

うんこ「元気が良いですね」

男「子供はこうでないとな」





16:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:22:48 ID:pNYH9VOY

少女「かみさま…?」

うんこ「そうです。アナタに呼ばれて来ました」

少女「すごい!ほ、ホントにかみさまなの!?」

うんこ「そうですとも」

少女「すごいすごい!ホンモノのかみさまだ!」

うんこ「なにこの純粋さ。あれ?やだ私泣きそう…」

男「少女ちゃん、お願い事をしてみなさい」

少女「んーとね…くさい!」

男「鼻をつまんで、お願い事をしてみなさい」

少女「うん!やっへみる!」





17:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:24:02 ID:pNYH9VOY

少女「んーとね、んーとね!なににしよっかなー!」

男「…今さらだが」

うんこ「何でしょうか」

男「お前に願いを叶える力はあるのか?」

うんこ「大抵のモノは無理です」

男「え」





18:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:24:55 ID:pNYH9VOY

うんこ「驚くかもしれませんが…実は私は、あまり位の高い神ではないのです」

男「知ってた」

うんこ「私は未来予知も出来ませんし、超能力のような力もありません」

男「じゃあどうすんのさ」

うんこ「大丈夫ですよ。見ていてくださいよ?」

少女「決めたよっ!あのね、私ねっ―――…」





19:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:25:36 ID:pNYH9VOY

少女「待ってよー!」

「おっせーよバカ!がっこう始まっちゃうだろ!?」

少女「で、でもー!わたしもう走れないよー!」

「ああもう!貸せよ!」ばっ

少女「あっ!わたしのかばん!」

「これで走れるだろ!?」

少女「!あっ、ありがとうっ!」

「う…うるせー!はやく走れっ!」

「ふたりともはやく!チャイム鳴っちゃうよ!」

「やべー!いそぐぞ!」

少女「うんっ!」





20:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:26:25 ID:pNYH9VOY

男「未来予知でも、超能力でもない」

男「なんて言うんだろうな、こういうの」

うんこ「何のことはないですよ。ただほんのちょっと…勇気を貸してあげただけです」

男「勇気?」

うんこ「女の子には歩み寄る勇気を。男の子たちには今までのことを謝る勇……はっ」

男「ん?」

うんこ「男の子たちには、今までのことを『水に流す』勇気を!うんこだけに!」

男「」すたすたすた

うんこ「違うんです!待ってください!」





21:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:27:47 ID:pNYH9VOY

男「お前このあとどうすんの」

うんこ「神様の世界に戻って、これでランキング上がったか見ます」

男「そういうシステムなのか」

うんこ「なかなか徳ポイントが上がらなくて」

男「なんというか」

うんこ「はい?」

男「どう別れていいのか分からん」





22:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:28:19 ID:pNYH9VOY

男「いや、自分でもどうかと思うんだが」

男「じゃあな、で済ますにはちょっと強烈過ぎる時間だったから」

男「だからといって別れない訳にもいかないし」

男「どう別れようか」

男「おい聞いてるか?」

男「おい?」

うんこ「」

男「…薄情なヤツ」





23:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:32:54 ID:pNYH9VOY

女「あの、すいません!」

男「なんですか」

女「駅までの道を聞きたいんですけど…」

男「ああ、いいですよ。この道を真っ直ぐ行って──」

男(…うーん、なんか優しくなったなぁ、俺)

男「――で、突き当りに駅が見えてくるはずですから」

男「すいません拙い説明で…分かりましたか?」

女「はい、ありがとうございます!…ちっ」

男「ん?」





24:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:33:50 ID:pNYH9VOY

女「あの、もう一つ良いですか?」

男「ん?ああ、なんですか」

女「男さんの徳ポイントがウナギ登りだったんですよ」

男「はい?」

女「私のランキング一個も変わらなかったんですよ」

男「…おい」

女「しかもあれから徳を積みまくってるそうじゃないですか。そんなに神の地位が欲しいですか」

男「おいうんこ」





25:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:34:38 ID:pNYH9VOY

女「今回は男さんを油断させるために女で来ました」

男「何しに来た」

女「女子高生っぽい声に呼ばれて」

男「雑だな」

女「またお願いしますよ」

男「そんなんだからランキング上がらないんじゃないのか」

女「またそんな事言って、良いんですか?」

女「こんな姿ですが、神ですよ?」



完!





28:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/24(水) 22:46:05 ID:r3COBAUk

乙、

なかなか面白かった、うんこ。